5年目の被災地。おしえて、畠山さん!

こんにちは!ツタエテガミプロジェクトです。

いつもお手紙を配っていただいているボランティアステーション㏌気仙沼の畠山さんに「5年目の気仙沼」についておしえていただきました。少しでも多くの方に今を知っていただけたらとおもいます。畠山さん、お忙しい中ご協力いただきありがとうございます。

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宮城県気仙沼市で、仮設住宅や災害公営住宅での見守り活動を通じて、孤立・孤独を防ぐコミュニティ支援活動を行っている一般社団法人ボランティアステーションin気仙沼事務局「畠山輔(たすく)」と申します。

 当団体では、2014年の3月から「ツタエテガミプロジェクト」のお手紙を仮設住宅や公営住宅を中心にお届けさせていただいております。私個人といたしましては、私が当団体に入る前の一般社団法人気仙沼復興協会に所属していた頃からなので震災の翌年からご支援をいただいております。

特にお手紙をお届けする際に、普段あまり人とお話しをする機会が少ない方やあまり外に出ないご高齢の方が、お手紙を頂いて大変励まされ喜ばれている場面をみると、このような草の根的支援を通じて、継続して被災地である気仙沼を想ってくださっている人々や活動をしてくださる方に大変感謝しております。本当にありがとうございます。

 先月の11日であの震災から5年が経過致しました。時間の経過と共に日常を取り戻すことができている人。まだまだ困難な状況の中、目に見えない復興という長い道のりを覚悟し一生懸命頑張っている方。気仙沼では様々な事情を抱えている方が多くおります。その中でも多くの方が問題を抱えているのが住宅問題です。前述したとおり、気仙沼では先月の11日で震災から5年が経過致しました。早い方で今年の4月で仮設住宅入居から5年が経過致します。そもそも仮設住宅の耐用年数は2年で防寒対策や強度補強などを行いながらも騙し騙し住んでいるのが現状です。酷い仮設住宅では雨漏りやネズミの発生。また冬季は大量の結露によるカビで健康状態の悪化や家電製品の故障など多くの問題を抱えております。しかし未だ有効な対策はなく、「もう少し待てば災害公営住宅に住めるから…」「あとちょっとだから、騒いで迷惑かけたくないから…」と我慢と諦めの雰囲気が蔓延しています。にも拘らずここにきて、資材不足や従事される職人さんの不足等で災害公営住宅や防災集団移転事業の遅れが発生しており、更に仮設住宅の入居時期が延びた事もあり、精神的に参っている方が増えてきています。

 また2015年の1月から気仙沼市では災害公営住宅の入居が始まりました。気仙沼市の災害公営住宅は、優先順位がついた抽選式で入居が決定されます。これは、ご高齢な方や日常の生活に支障がある方等が優先的に優遇される抽選方式です。このため、避難所から仮設住宅に入居する際に抽選式で入居を決定したため、隣の部屋に誰が住んでいるのかわからないという状況が、震災から5年が経過し、仮設住宅の住まいにも慣れ、新しいコミュニティが形成されようやくご近所付き合いができるようになったのに、再度の抽選式で、また隣が誰かわからないという状況から始めなければなりません。更に上記の優先順位を付けた抽選式により、2015年1月に入居が始まった「南郷公営住宅」では半数以上の方が高齢で独居という状態です。公営住宅や既存地域との交流が円滑に行えなければ今後多くの孤立・孤独死が発生すると言われています。また一般の賃貸住宅と比べて優遇されていると言われている家賃も、国民年金加入のみの方で5年目までは6000円前後の家賃が10年目からは減免が無くなり、20000円前後まで上がると言われています。一般の賃貸住宅に比べて安くても今後大きな問題になることは火を見るより明らかです。

 気仙沼市では、今年の6月頃に仮設住宅の集約が始まります。これは災害公営住宅や防災集団移転の遅れにより入居ができない方。そもそも仮設住宅以降の再建方法がまだ決まっていない方等が対象です。数か所の拠点仮設住宅に今住んでいる仮設住宅から転居し集約されます。そのため対象の方は公営住宅や防災集団移転先に引っ越す前にもう一度引っ越し作業をするため大変精神的にも肉体的に負担が増えます。更に、公営住宅や防災集団移転は入居が決まった人から仮設住宅を抜けていくため、仮設住宅が歯抜け状態になり自治会や親睦会が解散し、仮設住宅内をまとめる方(比較的自分から動けるキーパーソンの方)から仮設住宅を転居されるケースが多く、ご高齢な方程残ってしまう傾向があります。今後残される仮設住宅の方の孤立や孤独化が懸念されています。

 震災から5年が経過しましたが、気仙沼の復興は目に見える部分と目に見えない部分とが混ざり合った状況です。内湾などを中心に5メートル近く盛土嵩上げをされた場所もあれば、いまだ手つかずで放置されている場所もあります。また、防潮堤の建設なので市民は賛成と反対に分かれた複雑な状況です。現に内湾の一部では直壁タイプの7.2メートルの防潮堤が完成しており、海を見ることすら叶いません。当団体の目の前にある神山川では、全国お花見1000景にも選ばれる桜並木が有名でしたが、これも嵩上げと防潮堤の建設で伐採される予定です。他にも多くの海に繋がる川は内陸方面にコンクリートで囲まれる防潮堤が整備される予定になっています。今こそ気仙沼市民が団結し、まちづくりを考えなければいけないという時期に、市民が二分してしまうというとても複雑な課題を抱えています。

 今後気仙沼市では、阪神淡路大震災でも同じようだったように、公営住宅や防災集団移転へ転居が完了すれば復興が完了したという認識で様々な支援が打ち切られる予定です。また外部のNPO団体等は資金の不足や時間の経過と共に撤退していく傾向です。今ここで地元団体でもある当団体が見守り活動を行い、孤立・孤独を防ぐ安心した環境作りを行わなければ、物心両面での本当の復興にはならないと考えています。

この度は最後まで読んでいただき本当に感謝申し上げます。

皆さまに少しでも気仙沼を知っていただければ幸いです。

本当にありがとうございました。

一般社団法人 ボランティアステーションin気仙沼 事務局 

畠山 輔
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プロフィール

ツタエテガミプロジェクト

Author:ツタエテガミプロジェクト
2011年6月より神戸・岡本で活動中。

東日本大震災の被災地である宮城県に住む人との文通を通じて、一対一のこころの繋がりを作るきっかけになればと思い
活動しているプロジェクト。
ひとりひとりが繋がって長い心の支え合いを目的としています。

ツタエテガミプロジェクト代表
稲冨歩美・早瀬友季子

★お問い合わせ★
tsutaetegami@gmail.com

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